トップページ > 消費者の皆様へ > 衣類のアドバイス > 素材・製品について:モール糸「パイル脱落」

素材・製品について

←衣類のアドバイスに戻る

モール糸「パイル脱落」

モール糸は、特有の構造による外見と感触から冬物衣料に人気の素材として使用されます。

芯糸と押さえ糸に挟み込まれただけの花糸は、スレや引っかけで簡単に引き抜きや飛び出してしまいやすく、着用時には十分な注意が必要です。

モール糸のパイルが脱落した事例をご紹介いたします。

[写真]モール糸「パイル脱落」の実例

品名 ニットワンピース
素材 アクリル(モール糸)
取扱い絵表示 洗濯できないエンソサラシ×アイロン低ドライセキユ系
状態 ニットワンピースを構成しているモール糸の一部のパイルが脱落して、芯糸が露出した状態になっています。
原因 着用や物理的作用が原因でパイルが脱落したものです。
確認はできませんが、クリーニング前にすでに着用摩擦でパイルが脱落しかけた状態となっていたところに、クリーニングの作用が加わりパイルが完全に脱落した可能性や摩擦などに対するパイルの強度に問題があった可能性なども考えられます。
特性 ファンシーヤーン(飾ねん糸)の一種です。JISではシェニール(フランス語で毛虫のこと)糸と呼び、パイルになる糸を巻きつけた二本の芯糸を撚り合わせ、さらに巻き付けた糸をカットしてパイルにしてできあがります。
パイルは脱落しないように熱溶融性樹脂を使って接着しますが、樹脂の量が多くなるとモール糸の風合いが硬くなることから、使用量が制限され、パイルの脱落を完全に防止することは難しい状態にあります。また、海外の製品には、風合いを重視するために熱溶融性樹脂が極端に少ない製品もあるとのことです。
「モール糸は独特な風合いを持たせるため、毛羽が抜けやすい構造をしている」「ベルトやバッグなどが長時間同じ所に当たっていると、毛が倒れたり抜けやすくなる」「糸がすべりやすく、引き出されやすい」などメーカーによる付記表示も掲載されているものがあるので、着用時には十分注意が必要です。

~クリーニングニュース2009年1月号より~

←衣類のアドバイスに戻る

▲このページのトップへ